「おもれーなああいつら…」
ぼけっとしながら呟いた修平の首根っこを引っ張って、花梨は構内へと入っていった。
「死ぬわボケ!」
「なんですって?」
「あっ…。ありがとうございます…」
「そ❤」
…あいつってなんであんなに立場弱いんだろうな。
ぼんやり考えながら、その後ろを歩いた。
あ、そうだ。
今日にでも電話してみようかな。
楓のやつは確かにクールだし冷たい印象がある。
でも不器用なだけに、からかうと面白いんだよね。
天然過ぎてからかわれてることにも気付かない真緒ちゃんは、やりがいがないんだけど…。
「ところで花梨。君なんでそんなに機嫌が悪いわけ?」
「分かってんでしょその顔は」
「はは…。まあね。分かりやすいもん花梨」
真緒ちゃんのリサイタル見れなかったこと、ショックだったみたいだね相当。
まあ昔からずっとファンだったみたいだし、何より真緒ちゃんのことが大好きだからな。
無理もない。でも仕方がないとも言える。
しかしこれから先どうするつもりなんだろうな?
このままずっと顔出しせずにっていうのは無理だろうし。
まあ…あの子何も考えてなさそうだけど…。
というか諦めてそうだ。一応考えはしたものの。
「いつか日本公演やるかもしれないし、いいじゃないか」
「いつかっていつ!?」
「そんなの真緒ちゃんに直接聞きなよ」
「…神崎って人次第かしらね」
「そうだね」

