「……」
「……」
「……」
「……」
…忘れてたけど、すぐそこにはお兄ちゃんもいる。
もうまさに、開いた口がふさがらない状態だ。
「あ、あの…」
ポツンと呟いたお兄ちゃんの一言は…。
「……てんめぇ……覚えてろよ!!」
…なんたら肇のアニメみたいな捨て台詞によってかき消された。
「……お、おいお前…、あの方谷川様のところのご子息じゃないか! なんてことを…」
「うぇほん」
「お、お嬢様…?」
「お前…って誰のことかしら」
「あ"」
…どうもねー、お兄ちゃんはね、かっくんのこと馬鹿にしてる節があるんだよね。
馬鹿にっていうか、見下す?
そのせいで、前からのくせが抜けずにまだこういう口の利きかたをする。
かっくんにえらそうにしろって言うんじゃなくて、お兄ちゃんに目上の者は敬えって言うんでもなくて、やっぱりそういう世界だから。
きちんとしなくちゃならない。
そんな世界に、お兄ちゃんはいるんだし、かっくんは入った(本意じゃないけど)。
ま、一言で言えば『仕方ない』んだよ。
「……も、申し訳ありません…楓…様」
「おい真裕…」
「慣れなくちゃ」
「……」

