ぎょっとした表情で呟いた真裕と同じことを、心の中で思わず呟いた。
そりゃ危ねぇだろ…。
…と、心配が表に出る前に。
―ドドドドドッ…
「え"っ…」
「あ…」
一気に舞台へ向かって、観客が押し寄せ始めた。
『な、なんつー人気…』
『そりゃあそうだわよ…。あたしだって、本当ならあそこに混じってるわきっと』
「…大丈夫かマヒロは」
「さあなぁ…」
「さあってこたねェだろ」
いや…よく見ろよ。
確かに全員が押し寄せるけど。
舞台前まで押し寄せるけど。
「……誰一人として、上に上がろうとはしない」
「…!」
『!』
『ホントだ…』
藤峰真裕は、自分にとって手の届かない存在であり。
決して同じ目線に立つことのない、いわば不可触の女神。
そういう思いから。
純粋な真裕への思いから。
あの行動は、引き起こされているんだろう。

