秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*


それから時間が迫るとともに、騒がしさは倍増する。


『まだかな?』

『バカまだ十分もあるよ』

『そこんとこほら、ちょちょいとタイムマシンかなんかでなんとかならない?』

『なるわけあるかΣ!!』


『…あのカップル面白いわね』


三列後ろに座るカップルの会話を聞いて、なぜか俺を見ながらそう言うリジュ。


『なんか文句あんのかコラ』


『不良みたいねカエデ』


『あ?』


そんなこと言われたのは……初めてだ。


『初めてなのか? いや、そんなわけないだろ』


『なんで』


『だって…特攻服とか似合いそうだぞお前』


『……』


どういう意味だよ。

それこそ言われたの初めてだわ。


呆れ返って言葉も出ずにいると、すぐ後ろからこんな声も。


『あ、あのさ…。さっきから俺気になってんだけど…』

『わ、わたしも』

『やっぱりあの前にいるのって……』

『真裕ちゃんの旦那さん! …の、星野楓!』


なんだその取ってつけたような…。


『もはやマヒロの旦那っていう印象のが強いみたいね』


『マヒロはマヒロで、カエデと結婚した天才少女っていう印象が強まってるな』


『結局人ってそういう話題が一番好きなのよね』


『そういうこったな』