秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*


「あの…それで本日のご用件は?」


「あれ、聞いていませんか? 共同開発のおはな…」


「お断りします」


「早ッ!?」


…ハッ! つ、つい…。

無意識に口走ってしまった。


「えー…こほん。それで? 共同開発というのは?」


「え、今断るって…」


「お早くお願いいたします。予定が詰まっておりますので」


「あ、はい…。えー…こちらなんですが…」


差し出された資料にざっと目を通していて……気付いた。


「……あの、なにか?」


「あっ…い、いえ」


この人…どこ見てるのかしら。

舐めまわすような目であたしの体を見つめてる。

嫌な感じ…。


……ってコワッ!?

隣のかっくん超コワッ!?

めちゃめちゃ睨んでるじゃん超怖い…。


「チッ…」


「あ?」


睨まれてることに気付いた谷川息子がなんと舌打ちをし、かっくんはたぶん無意識に「あ?」と声を出した。


「…ごほん。…この、B案の部分についてお聞きしたいのですが」


「え? ああ、こちらはですね…」


気持ち悪い。急ににこにこしながら顔を近づけてくる。

ぞっとした。あの時の記憶がよみがえって。