―――……
「……」
「……」
「いやあ、まさか貴女が来て下さるとは思いませんでしたよ(旦那邪魔だけど)」
「……」
「……」
「相変わらずお綺麗でいらっしゃる。お着物もドレスも素敵だが、仕事着もお似合いですね(旦那邪魔だけど)」
「……」
「……」
「ま、ま、お上がり下さい。どうぞどうぞ(旦那邪魔だけど)」
父様……否。
くそ親父。
よくもやってくれたわね❤
覚悟なさい。ぜっっったい許さねーわよ!!
ぐごご…と密かに炎を燃やすのはあたしだけではない。
かっくんも、こめかみがぴくついていた。
それは。
「……どうも。ごきげんよう…谷川様」
…それは、つい先日噂をしていた谷川の息子のせいだ。
「いやだな。肇だったら」
「そうでしたか。私、名前を覚えるのが苦手で」
「じゃあ覚えてくださいね。…あ、それじゃあ始めましょうか。いやあ…仕事を任されたときは父を疎ましくも思ったものですが、親にそんなことを思ってはいけませんね! 感謝せねば。おかげで(以下略)」
長々と一人で喋る谷川息子の後ろ姿を見つめながら、あの背中に針の一つでも刺してやりたいと本気で思った。
「……帰ったら父様ぶちのめす❤」
「協力する」

