秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*


―――……


「……」

「……」


「いやあ、まさか貴女が来て下さるとは思いませんでしたよ(旦那邪魔だけど)」


「……」

「……」


「相変わらずお綺麗でいらっしゃる。お着物もドレスも素敵だが、仕事着もお似合いですね(旦那邪魔だけど)」


「……」

「……」


「ま、ま、お上がり下さい。どうぞどうぞ(旦那邪魔だけど)」


父様……否。

くそ親父。

よくもやってくれたわね❤

覚悟なさい。ぜっっったい許さねーわよ!!


ぐごご…と密かに炎を燃やすのはあたしだけではない。

かっくんも、こめかみがぴくついていた。


それは。


「……どうも。ごきげんよう…谷川様」


…それは、つい先日噂をしていた谷川の息子のせいだ。


「いやだな。肇だったら」


「そうでしたか。私、名前を覚えるのが苦手で」


「じゃあ覚えてくださいね。…あ、それじゃあ始めましょうか。いやあ…仕事を任されたときは父を疎ましくも思ったものですが、親にそんなことを思ってはいけませんね! 感謝せねば。おかげで(以下略)」


長々と一人で喋る谷川息子の後ろ姿を見つめながら、あの背中に針の一つでも刺してやりたいと本気で思った。


「……帰ったら父様ぶちのめす❤」


「協力する」