またまたのたーっと倒れ込むあたし。
ハディが呆れた表情で言った。
『暑いならくっつかなきゃいいのに』
『いやだ❤』
『あ…そ』
あらま…。また呆れられちゃったよ。
いやあねハディったら。
みんなで日陰で身を隠していたら、ふと人の気配がした。
『しっ』
咄嗟に人差し指を立てるメイリー。
息をひそめて茂みの間から外を覗いた。
『こっちのほうに行った気がしたんだけど』
『気のせいじゃない? いないわよ』
『でも逃げたってことは本当ってことよね!』
『あーんもう❤今まで信じて音楽続けてよかった!』
キャッキャとはしゃぎながら、集団はぞろぞろいなくなった。
「……っはー…」
いつの間にか息止めちゃってたよ。
大きく深呼吸をして、肩の力を抜いた。
「……なんで追いかけられるのまお。…てかなんで逃げなきゃならないの」
「捕まったら面倒だから?」
「じゃなんで追いかけられるの。なんで捕まったら面倒なことになるの」
「分かったから落ち着け。仕方ねーんだよ。お前、“腐っても鯛”状態だし」
「腐って…!?」
ま、まお腐ってるの…!?
え、腐ってるの…!?
「ハア……」

