秘密のMelo♪y④*ウィーン編㊦*


またまたのたーっと倒れ込むあたし。

ハディが呆れた表情で言った。


『暑いならくっつかなきゃいいのに』


『いやだ❤』


『あ…そ』


あらま…。また呆れられちゃったよ。

いやあねハディったら。


みんなで日陰で身を隠していたら、ふと人の気配がした。


『しっ』


咄嗟に人差し指を立てるメイリー。

息をひそめて茂みの間から外を覗いた。


『こっちのほうに行った気がしたんだけど』

『気のせいじゃない? いないわよ』

『でも逃げたってことは本当ってことよね!』

『あーんもう❤今まで信じて音楽続けてよかった!』


キャッキャとはしゃぎながら、集団はぞろぞろいなくなった。


「……っはー…」


いつの間にか息止めちゃってたよ。


大きく深呼吸をして、肩の力を抜いた。


「……なんで追いかけられるのまお。…てかなんで逃げなきゃならないの」


「捕まったら面倒だから?」


「じゃなんで追いかけられるの。なんで捕まったら面倒なことになるの」


「分かったから落ち着け。仕方ねーんだよ。お前、“腐っても鯛”状態だし」


「腐って…!?」


ま、まお腐ってるの…!?

え、腐ってるの…!?


「ハア……」