『パガニーニの、24のカプリースだね? これをやるのかそーかそーか❤』
『ああそういえばそうだった。…うんやるよ。はい終わり』
『え、終わり? なにが?』
決まってんだろ。
おめェとの無駄話さ。
マヒロはカエデとイチャつきてェんだと。
「かっくん❤お写真❤」
「なんで」
「なんで!? …なんで…か…フッ。それはねかっくん。語ろうと思うと二年くらいかかると思うんだけど、一言で言えば…かっくんがすてきだから、かな!?」
一言で十分じゃねェか。
『ち…ちょ、ちょっと…シュン』
『あん?』
『ああああんたなに普通に突っ込んでるのよ』
『なにってなんだ』
ようやく口が利けるほど復活したらしいハディとリジュが、慌てながら詰め寄ってくる。
『…マヒロって……本当にあの藤峰真裕だったのね…』
『しみじみ言ってやるなよ』
可哀想だろ。
『なんかやっぱり俺らって、とんでもないのと一緒にいるよな』
『まあ、そこは同感だな』
ついこの間までは、考えもしなかった。
藤峰真裕と星野楓。
あの二人が自分の目の前に現れて、“身近な人”として接することになろうとは。
それでつい、忘れてたんだな。
あいつらは、どこまでいっても“雲の上の存在”。
決して“身近な人”にはなりはしない。

