「……か……」
……か?
「かっ…!」
か…?
「かっくん~~~~!!」
やっぱりな。
…ちょっとでも気にした自分がバカだったぜ。
気にするまでもなく“か”とくりゃ続く言葉は“かっくん”に決まってらぁな。
その一言で一気に力の抜けた俺は、ドサッと背もたれに体を預けなおした。
マヒロはカエデに向かって一直線、走ってくる。
「かっくん、まおできてた? ねえできてた?」
「ああ。できてたよ」
「きゃ~~~っ❤ほんと!」
ガバッと押し倒しそうなくらいの勢いで飛びつくマヒロを、いとも簡単に受け止めるカエデ。
嬉しそうなマヒロの頭を優しく撫でた。
「まおねっ、まおねっ、がんばったんだよ!」
「ああ、そうだな」
「だからねだからねっ、かっくんおしゃし…」
『マッヒロォ~~~❤❤』
「……チッ」
おう。
今滅茶苦茶本気で舌打ちしたな。
目がおっそろしいことになってたぜ。
『いやあ❤さすがだねっ。こんな素晴らしいものを聴いたのは実に久しぶりだ。君の六年前のコンクール以来だよ』
『あっそう。それはありがとう』
適当だな。

