戻ってる……って…。
「な、なにが」
「だから、“藤峰真裕の演奏”。…手応え感じてんじゃねぇの?」
「ふ…む…」
そりゃあ…確かに、今までとは比べ物にならない感じだった。
あ、あたしやればできるんじゃん? って感じ?
でも…それはかっくんの…。
「言っとくが、俺よりお前のほうが遥かに上だ」
「…!」
「俺が求めても叶わないものを、お前は全部叶えられる。俺の力なんかもういらない」
「い、いるもん…」
「いや。一人でやれる」
「いてくんなきゃやだ!」
やだよ。やだ。
かっくんまでいなくなっちゃうの?
そんなのいやだ!
あたしの大事な人…先生も母様も、いなくなった。
かっくんと父様だけがすべてなのに…いなくなっちゃうの?
涙目で見つめると、かっくんはちょっとびっくりしたような表情をした。
「……違ぇよバーカ」
そして、ぺんっとおでこを……ひっぱたかれた…?
…え、なんで…?
ちょっ、ひどいんじゃないですか…!?
「あーんっ! かっくんのばかぁ!」
「あーはいはい…分かった分かった」
「むえーんっ…」
「…とにかくバイオリンは一人でできる。分かったか?」
「……あい…」

