前のめりに倒れたあたしをすっぽり包み込んだかっくんに、思わずぎゅっ。
「❤」
かっくん…間近で見るとさらにすてきなんだもの…❤
もうその色っぽいきゅっとした唇にちゅうしたくなっちゃう。
『まっ、マヒロや。小劇場にゆこうではないか。な』
『えー……いいけど』
『いいんかい』
いいんかいって。
自分で行こうって言ったくせに、いいんかいって突っ込んだよこの人。
嫌だっていう答えが返ってくれば満足ですかこのやろー。
『じゃあね、一階だからね。それ持って降りてきてね。私先に行って準備してるから』
『えー…うん…』
『…どうした?』
あんまり乗り気じゃなく曖昧な返事をしたあたしに、心配そうに聞いてくるケイン。
『う…んー…。なんでもない』
『そうか? …そうは見えないが』
いや、本当に何でもないんだ。
ただ…ねえ?
「大丈夫だから」
「え?」
一瞬下を向いて考え込んだとき、ぽふんと頭にあったかいものが乗っかった。
反射的にパッと顔を上げると、優しい瞳のかっくん。
「まあ…言ってもどうせ信じないだろうが、お前もう十分だよ」
「え…な、なにが?」
「元がいいんだ。昨日今日でもう十分戻ってる」
戻って…る?

