「んじゃあ行こう」
バイオリンを背負って振り返ると、もう準備万端のかっくんが立っていて、そのさらに後ろのソファには琥珀を抱いたりんりんが座っていた。
「いってらっしゃーい。琥珀は任せて❤」
「梨音は」
ずばっと突っ込みつつも、返事は聞かずに飛び出した。
だって……お部屋から玄関までが約三分でしょ?
玄関から車庫までが約五分でしょ?
…ほら。さらに遅刻。
「んもーっ! なにやってたんだようあたしっ」
「寝てた」
「……かっくんのいけずぅ」
わざわざ言わなくたっていいじゃない…。
分かってるもんまおが悪いってことくらいさ?
お昼食べた後寝ちゃってなかなか起きなかったまおが悪いってことくらいさ?
ちょっといじけながらも、早足で向かった。
「お嬢様、お乗りください」
「あ、野木さん気が利く~♪」
玄関を出たらなんと、野木さんが車で待っていてくれてた。
このまま門を出たら、車庫に向かうより断然早い。
なんて気の利く人かしら❤
ぐっ!! と親指を立てながら乗り込んだ。
「アッシュ達、もう行ってるかなあ」
「さあなぁ…。先に行くって言って、お前が寝た後すぐ出て行ったけど」
「でもその時間って……早いじゃん」
「感化されたんじゃねーの?」
かんか?
缶…化? 缶化? ………いやいやいや。

