綿密で機械のように正確。
だけど音色は心にずしんと響く。
これこそが“天才”!
ほら、あたしの場合、とりあえず正確さゼロじゃん?
あははははー。
一瞬自棄になりかけたとき、曲は終わった。
“星野楓”らしい演奏だった。
「かっくん…❤しゅきっ」
「聴いてたのかコラ」
「聴いてたから言ってるんじゃん」
「じゃあ見てたのか?」
「うん、バッチリ。かっこよかった」
「俺じゃねぇよバカ」
「うえーんっ…」
わあーん! 怒られた怒られたぁっ。
まお悪いことしてないーっ。
「だって…見てたって分かんないし見てらんなかったんだもんっ」
「ハア…。じゃあもうそれはいい。どうせお前、自分で勝手に改造するしな」
「えっ! 改造!?」
「いつも微妙にテンポが違う。スタッカートの跳ね方が違う。ビブラートの幅が違う。他にも色々違う」
「……」
そ、そんなに違いましたでしょうか…。
先生にOKもらってから舞台立ってたよいっつも…?
かっくんの気のせいじゃない?
「それがお前の良さだからだろ」
「いいの? 違うのにいいの?」

