「隼の事、好き?」
…聞かれた質問は意外なものだった。


「えっ?」
答えが見つからない。
なんで皐がそんな事を聞いて来るのか分からない。


私は皐が好きなのに…。
皐はどうしてそんな事を?


聞く事が出来たら、どれだけ楽だろう?
この気持ちを素直に伝える事が出来たらいいのに伝えられない。


そんな勇気なんてない。


顔を合わせるだけでも恥ずかしいのに告白なんてしたら心臓が飛び出しちゃうかもしれない。
有り得ない事なのだろうけど本当にそう思わずにはいられなかった。


「隼の事、好きなのかなーと思って」
そう言って皐は切なげに笑った。


…答えに悩む。


悠の時はすぐに出たはずの答えが隼となると出ない。


不思議に思う。


私が本当に好きなのは皐なのだろうか、と。


隼…
初めて会った、その日からずっと一緒に居る大切な友達。