――次の日。
学校に行こうと部屋を出るとタイミング良く、隣のドアが開いた。


隼かな？と思ったのは一瞬で中から出て来たのは隼ではなく、皐だった。


トクンと胸が高鳴る。
視線を逸らそうとした時には遅かった。


「凛ちゃん、おはよう」
皐と視線が重なってしまった。


だから私は高鳴る胸を落ち着かせながら、

「あ…おはよう」

と挨拶を返したのはいいけど心臓は五月蝿かった。


視線を逸らして鍵が閉まったかを確認してエレベーターへと向かった。


…私の後ろを皐が歩く。
その所為か、余計に心臓が五月蝿く鳴った。


私がボタンを押すと扉が静かな音を立てて開いた。
エレベーターに乗り込むと数秒遅れて皐が入ってきた。


扉が閉まる。
個室に二人きり。


「凛ちゃんさ、」
そして私の名前が呼ばれたのはエレベーターに乗り込んですぐの事だった。