「あ~美味しかった!」
超が付く程、ご機嫌の悠と会計を済ませてファミレスを出た。


私は会計を終えた隼に「ありがとう」とお礼を言った。
隼はそんな私に「俺の方こそ、ありがと」と付け加えた。


なぜ隼が私にお礼を言ったのか…
多分、それは付き合ってくれてありがとうという意味だと思った。


悠には笑っていてもらいたい。
そう思うのは私だけじゃなくて隼も同じだったんだね。


「おーい!そこの二人!」
少し先の方で悠が満面の笑みを浮かべている。
私と隼は小走りで悠の後を追った。


「二人でコソコソと何話してたんだー?」

「さあ?ご想像にお任せしまーす♡」
私と隼は顔を見合わせながら悠に言った。
語尾にはハートを付けるように。


「怪しいな~」
悠は言葉とは裏腹に笑っている。


「悠、顔が笑ってるよ?」
私がそう言うと悠は堪えていたのか、再び笑い出した。


やっぱり悠には笑顔が似合うね。
心の中でそっと呟いた。


聞こえてなくていい。
聞こえなくていい、耳を塞いでいい。
ただ…ずっと笑っていてほしい。
悲しい顔じゃなくて笑顔で居てほしい。


私は心の底から願うよ。
誰よりも悠の幸せを…。