もう会えない君。



「どうしたの?」
私は二人に問い掛けた。


「凛、次の授業サボれる?」
意外な言葉を発したのは悠ではなく、隼の方。
私は隼に視線を向けて静かに頷いた。


私と隼は学校の屋上に向かった。
なぜか悠だけを教室に置いて…。


“立ち入り禁止”という表札を無視して屋上に出た。


隼は一息吐いて話し始めた。
校内には授業が始まりを知らせるチャイムが鳴り響いていた。


「悠とさ、恋人のフリしてるって言ってたじゃん?」

「うん」

「凛は悠の事…嫌い?」

「…別に?」

「んー、悠が凛にまじ惚れしたらしい」

「……えっ!?」

「あ、いや、急すぎるよな!ごめん!」

「………」

「まあ悠は一目惚れしたって言ってた」

「いつ?」

「入学式ん時だって」

「…どうしよう……」

「このままフリを続けるか、本気で付き合うか?」

「いや、違う」

「じゃあ何?」

「私…好きな人出来た」


沈黙が流れる。
驚く隼は唖然としていた。