もう会えない君。



悠は相変わらず面白かった。


私と悠の偽りの恋人関係は未だに公認されていないけど今も尚、続いている。


終わりはいつ訪れるのかは分からない。
もし、どちらかに本当に好きな人が出たら…私達の関係に終止符を打つ事が出来るのだろうか?


ふと思ったけど私は思った事を口にしなかった。



――もうすぐで夏休みに突入する。


クラスでは夏休みの予定について話し合う生徒達が増えた。


私は周りと違って夏休みも休日も変わらず、ただ一人、家で過ごすんだろうなと思いながら外を眺めていた。


いつ見ても空は綺麗で…
見ているだけで心が和んだ。


「なあ、凛?」
空を見てると頭上に声が落とされた。
顔を上げると隼の姿があった。


「何?」

「夏休み、予定ある?」

「んー…ない」

「俺と悠と三人で遊びに行かない?」

「え?」

「折角だから遊ばない?悠は賛成だって」

「……いいよ」

「まじ?よかった~!」


どうやら今年の夏休みは去年の夏休みとは違うらしい。
宿題だけをすればいいという長期休みに楽しみが出来た。