もう会えない君。



月日の流れは早いもので今日で入学してから一ヶ月を迎える。
つまり、それは私と悠が恋人のフリを始めてから早くも一ヶ月を迎えようとしているわけで。


昨日、寝たのが遅かった所為か、やけに眠い。


まだ寝てたいけど学校に行かなければならないと思った私は重い体を無理矢理、起こしてベランダに出た。


大きな欠伸が出る。


「ふぁ~…」
今日も天気は良くて、雲一つない快晴だった。


背伸びしてリビングに足を運んび、ハンガーに掛けてある制服に着替えを始めた。


トースターにパンを入れてセットし、パンが焼けるまでの間に寝癖を直した。


目を覚ます為に冷たい水で顔を洗った。
さっぱりしたお蔭で眠気も吹っ飛んだ所でリビングに戻り、朝食を摂った。


こんがりと焼けたパンに苺ジャムを塗って一口かじる。


ジャムを塗り過ぎた所為でやけに甘ったるしくなったパンを皿の上に置いてコーヒーを口に含み、甘さを掻き消して飲み込んだ。


時間を見るとまだ余裕があったので今日の朝食はゆっくりと済ませた。


制服に乱れがないかを鏡の前で確認し、鞄を手に掲げて家を出た。