もう会えない君。



「冗談だよ」
そう言うと悠は私の髪をくしゃっと撫でた。


カップルとは手を繋ぐだけで成立する程、簡単なものじゃないという事を知った。


こうやって、じゃれ合う事も必要で髪を撫でるという行為もカップルの間では当たり前らしい。


公認カップルではない。
でも別に公認カップルになる必要はない。


だって私は悠の本当の彼女じゃないから。
ただ悠の彼女の“フリ”をしているだけだから。


認められたいなんて思った事もない。


悠は凄く優しい。
隼と同じくらい優しい。


なぜ二人がこんなにも私に優しくするのかは分からない。


だけど二人の優しさがあるから寂しいと思う事が減ってきたのかもしれない。


「悠くん、」

「…悠でいいって」

「じゃあ悠、」

「今度はどうした?」

「聞きたい事がある」


疑問に思っていた事があった私は悠に聞こうと思った。