二種類のストラップで苦戦する私。
幾つもの種類のうちから二種類に絞り出すのに時間が掛かり過ぎた。


だけど隼は何一つ、文句を言わずに一緒に選んでくれてる。


「このくまちゃんのリボン可愛い!」

「え、それだったら衣装着てる方が可愛くね?」

「だってピンクのリボン付なんだよ?」

「衣装にはリボンが付いてないもんな」

「それと水色のリボンのくまちゃんもあるの!」

「どれ?」

「ほら、これ」

「ピンク色と水色しかないんだ?」

「そうみたい…だから悩むの」

「衣装着てるのとリボン付いてるので悩んでんの?」

「うん。どっちも可愛いんだもん」

「…女子ってたまに分かんなくなる時がある」

「えっ?」

「いや、似てるのに悩んでるから」

「それが特徴なんです」

「そうなんですか、勉強になります」

「………」

「……すみません」

「隼ってば、謝んなくていいのに」

「成り行き上で謝んなきゃなんねーんだよ。で、決まった?」

「うん!このピンク色のリボン付きのと水色にする!買ってくるね!」


いつも隼に買ってもらってばかりだったから私はすぐにレジに持って行った。
隼はポツリとストラップ売り場に残されたままだった所為か、会計を済ませた後、ずっとストラップ売り場の品を凝視してた。