もう会えない君。



「…隼の意地悪」

「ヤキモチを妬かせる方が悪い!」

「隼も妬くんだ」

「え?妬きますよ、好きなんだから」

「嬉しいなっ!」

「………」

「隼~?」

「ん?」

「私も好きだよ」

「…俺も大好き」

「隼の事、愛してる!」

「あ!先越された!俺の方が何倍も愛してる!」

「私なんか、何十倍も愛してる!」

「じゃあ俺は…――――」

突然、止まった会話。
隼の視線が私ではなく、前に向けられている。


嫌な予感がする。
恐る恐る、隼の向ける視線を追った。


そして私は見てしまった。


もう会う事もないだろうと思っていた。
もう姿を見る事もないだろうと思っていた。


だけど…運命には逆らえなかったんだ。


もしかして、あそこに立ってる人って……由香里さん?