もう会えない君。



「あ、そうだ!」
ファミレスを出ると悠が何かを思い付いたように手を合せた。


首を傾げると悠は笑顔でこう言った。


「折角なんだしさ、別行動しようぜ」
悠は皐の手を掴んで「俺と皐、凛と隼でさ!」と付け加えた。


私達は悠の意見に賛成した。
だけど微かに心配だったのが悠と皐という微妙はペア。


大丈夫かな…。


「凛、どうかした?」

「皐くんと悠…大丈夫かなって」
顔を覗き込む隼に小さく耳打ちしてみた。


そしたら隼は、

「それなら心配いらないよ」

と笑って答えたから私は驚く事しか出来なかった。


驚いたままの私に、隼は言葉を続けた。


「あの二人、なんか仲良くなったんだって。俺らが別れた時に」


…続けられた言葉になんとなくだけど理解した。
来てくれたのも二人揃ってだったし。
いつの間にか、仲良くなっていたんだなって思った。


だから私の不安は一瞬で消えた。