もう会えない君。



「残り一分…なんだけど終わってるみたいね!おめでとう!」
店員さんはそう言うとポケットの中から“ある物”を取り出した。


「達成したのは君達が初めてだから記念に写真を撮ってもいいかしら?」
店員さんが取り出したのはデジタルカメラだった。
記念撮影をしてくれるという事で私達は顔を見合わせた後、店員さんに「お願いします」と加えた。


「それじゃあ、撮るわね~!」
パシャリ…
音が聞こえると同時にフラッシュが起きた。
眩しさのあまり目を閉じそうになったけど堪えた。


店員さんは焼き回しした後で店内に貼ると言って、「見に来てね」と付け加えると奥の方に消えた。


思い出がまた一つ出来た。
皆との思い出が一つ、また一つ…増えた。


「皐くんって甘党?」
水を流し込む皐に問い掛けると皐は水の入ったコップをテーブルに置いて頷いた。


「えぇ!?お前、甘党だったのか!!」
驚く隼に皐は当然のように「そうだけど?」と返答した。


どうやら同居人である隼すら知らない事実だったらしい。


驚いてるのは隼と私だけではなく、悠も驚いていた。
悠の場合は唖然として言葉に出来ないという感じで。


…意外な一面を発見した。
そう思わずには居られなかった。