皐も含めてファミレスに行くのは今日が初めてだった。
「何にする~?」
メニュー表と睨めっこを開始してから数分が経過した頃、沈黙を破ったのは悠だった。
「んー…」
「凛、どうかした?」
「巨大パフェに挑戦しようかと思って!」
メニュー表には載ってない新商品である巨大パフェは私が座る位置から丁度右側の通路の壁に貼ってある。
ふと視線を向けた時に見つけた巨大パフェは制限時間、二時間で完食する事が出来たら料金はタダになるという設定らしい。
「何処にあんの?」
そう聞いてきたのは隼でも、皐でもなく、悠だった。
だから私は廊下の方を指し示すと「あぁ~」と納得したように頷いてた。
「そういえば、凛ちゃん、何も食べてないもんね」
「え?何も食べてないって…」
「隼も何も食ってねーだろ?」
「………」
「確かに隼、痩せたな」
「…まあ」
「じゃあ凛の希望通り、巨大パフェに挑戦すっか!」
「えっ、いいの!?」
私が悠にそう聞き返すと悠は満面の笑みを浮かべながら頷いた。
皐の方にも視線を向けると「いいよ」って言ってくれた。
もちろん隼は初めから賛成してくれていたみたいで喜ぶ私を見て笑ってた。
