来た道を戻って、出会った頃はまだ桜が咲き乱れていた道を歩く。
隣には隼が居て。
当たり前のように繋がっている手。
無邪気に笑う君の顔が懐かしかった。
愛おしくて、手放したくなかった君は私の隣に居る。
離れて分かった。
君という名の存在の大きさ。
私にとっての君という存在。
言葉では表し切れない程、私は君を必要としていた。
そして君も私と同じくらいに私を必要とし、大切に想ってくれた。
もう間違ったりしないよ。
もう意地を張るのはやめるよ。
素直に…。
君の前では素直になるよ。
だから傍に居てね。
ずっと、ずっと傍に居てね。
私の隣に。
もう二度と手放さないでね。
私も隼をもう二度と手放したりしないから。
君がいいの。
君じゃなきゃ駄目なの。
握り合った手を、繋いだ手を離さないでね。
