「ほら、行くぞ?」
「うんっ」
再び、手を握り合いながら階段を下りた。
校舎を出ると隼は校門前に居る悠に気付いた。
「…悠?」
「悠がここに連れてきてくれたの」
「そうだったんだ」
「皐くんと悠が背中を押してくれたんだ」
「じゃあ二人に感謝だな」
「だね!」
校門前で私達の帰りを待つ悠は壁に寄り掛かって携帯を弄っていたけど私と隼に気付くと携帯をポケットの中に仕舞い込み、笑顔を向けてくれた。
その笑顔が祝福してくれているように見えたのは私だけなのかもしれない。
繋がれた私達の手を見て悠は確信したんだと思う。
だから笑顔を見せてくれたんじゃないかって思うのは…おかしいかな?
「さ~て、帰りますか!」
悠は私と隼の数歩手前を歩き出した。
マンションに居る皐に早く教えたい。
私達の帰りを待ってくれている皐に早く…。
久々に歩く、隼の隣。
やっぱり隼の隣が一番安心する。