もう会えない君。



…――――だけど屋上に隼の姿は見当たらなかった。


扉を開けたらすぐに見つけられると思ったのに隼の姿は何処にもない。
周辺を見渡してみたけど隼の姿はなくて…私の期待は消えかかっていた。


でも…
こんな私に神様はチャンスをくれたんだ。


隼は…――――居た。
出入口の裏側で空を眺めていた。


隼の後ろ姿。
久々に見る隼の姿に涙が出そうになる。


ゆっくりと隼に近付く。
一歩、また一歩…隼に近付く。


本当は隼の背中に飛び込みたい。
出来る事なら、もう一度だけ…。


「……隼…」
私の声に隼は視線をこちらに向けた。


懐かしく思える隼の顔は疲れ切っているように見えた。
以前より少し痩せているようにも見える隼は私に力ない笑みを見せた。


「凛…」
久々に聞く、隼の声。
弱々しいけど優しさの籠った声。


――振り返った隼の胸に私は飛び込んだ。