もう会えない君。



「…だって」

『だって?』

「隼には好きな人が居るの!私以上に好きな人が!」

『………』

「なんで教えてくれなかったの?」

『誤解、してる』

「してない!」

『隼の好きな奴はお前だろ!?』

「違う!」

『じゃあ誰だよ!』

「幼馴染の…っ…由香里さん」

『は?』

「知ってるくせに言わせないでよ!」

『ちょ…――――』


悠の言葉を最後まで聞かずに私は電話を切った。


聞きたくない。
言い訳なんて聞きたくない。


なんで…
私が、私だけが責められるの?


教えてくれなかったのはそっちじゃん…。