もう会えない君。



~♪


携帯が鳴り響いた。
鞄の中から聞こえる着信音。


隼かもしれない、と思った私は少し期待して携帯を取り出した。


…だけど。


電話の相手は違った。
私が待ってる相手じゃなかった。


【着信:早瀬 悠】


ディスプレイに表示された文字を見て、淡い期待は消えた。
一瞬で消え去った期待は脆く、儚いものだった。


「もし…――――」

『凛っ!!』

「………」

『なんで隼と別れたんだよ!?』

「………」

『俺言ったよな!?隼を信じろって!!』

「………っ」

『なんで信じてやらねぇんだよ!』