鳴るって思ってた。
いつもみたいに名前を呼んでくれるって思ってた。
だけど電話はいくら待っても来なくて…。
携帯が音を奏でる事はなかった。
握り締めて待っても、待っても、携帯は鳴らない。
表示されるのを待ってるのに。
隼の名前が表示されるはない携帯。
薄暗くなっていく部屋の中で私は泣いた。
自分でした事なのに…今更、後悔が波打つ。
理由を聞いてからでもよかったのに私は理由すら聞かなかった。
前は追い掛けて来てくれたのに…今日は追い掛けてくれなかった。
前は携帯が鳴ってたのに、今日は一度も鳴らない。
もっと心が強かったら受け入れる事が出来たのかな?
「…隼ぉ…っ…」
忘れられるわけがないよ。
今でも好きなのに、大好きなのに。
出会いは突然訪れて。
…別れも突然訪れる。
なんで言っちゃったんだろうって後悔しても遅い。
もう私と隼は終わりを告げたんだから…。
たった一言で、弱い私が言った一言で…。
