「………」

「り、凛?帰ろう?」

「…うん」

「そうだ!凛!」

「何?」

「駅前に新しくオープンした喫茶店行こう!」

「え、なんで」

「え、なんでも」

「行きたく…――――」

「よし!決定!行こう!」
“行きたくない”と言おうとしたけれど見事に遮られてしまった私は悠の数歩後ろに続いて教室を出た。


校門前には由香里さんと隼の姿はなくて、場所を移動したんだと思った。


「凛、気にすんな!」

「…うん」

「俺がパフェ奢るから!」

「…え?」

「パフェ!好きだろ!?」

「…普通」

「え、えぇ!?だってチョコパフェ!パフェ好きじゃねえの!?」

「その日の気分による」

「じゃ、じゃあ!喫茶店やめて…映画見に行くか!」

「なんで?」

「お、面白そうだから!」

「ファミレスは?」

「………」

「ねえ、ファミレスは?」

「………」

「ファミ…――――」

「は、繁華街に行こう!」

「………」