もう会えない君。



夕飯を作ろうとキッチンへと向かい、冷蔵庫の中を覗いた。


…帰りに買い物してくるの忘れてた。


思い出した頃には遅すぎた。
コンビニの方が近いのだけれど食材を買って来なければならないと思った私は仕方なく、コンビニよりも遠いスーパーに行く事にした。


制服のまま行くのが嫌だった私はパーカーにデニムのスカートというラフな格好でスーパーへと向かった。


交通手段がない為、もちろん歩きで。


ipodでお気に入りの曲を聴きながら向かうと不思議な事にいつもより早く着いた気がした。


一旦、音楽を止めてポケットに仕舞い込み、籠を手に取った。


「えっと…まずは野菜だよね!」
最初に向かったのは野菜コーナー。


スーパーに来て正解だったと思った。
トマトや人参、ほうれん草、レタス、じゃがいも…など種類豊富に取り揃えてある。


コンビニに行ってたらお弁当を買って済ませていただろうけど空っぽの冷蔵庫を見たら居ても経ってもいられなくなった。


手当たり次第に籠の中へと入れていく。