「あ…!」


時刻はジャスト19時。
大きな音を立てて空に打ち上げられた花火は種類豊富の色使いが夜空に映えて見えた。


盛り上がりを見せる周り。
再び、ざわつく河川敷付近。


――花火を好きな人と見たら“永遠”を誓える。


言葉が頭をこだまする。
迷信なのだろうけど信じ切ってる私は花火に見惚れてた。


隼は知ってるのかな?
花火を好きな人と見ると“永遠”を誓えるって事。
知らないのかな?
女の子の会話だったから知らないかもしれない。
でも、それでも…心の中で願いたいって思った。


「…凛」
花火に見惚れてる私の名前を隼が呼んだ。
隼に視線を向けると隼の顔が近付いてきて…――――私達は花火が空を華麗にしている中で初めてのキスを交わした。


わたあめの所為でなのかは分からないけど私達の初めてのキスは甘かった。


唇を離すと隼は照れ臭そうに笑って私の手を握った。
そして花火に視線を戻して嬉しそうにこう言った。


「来年も、再来年も、また見に来ような!んで、永遠を誓えたらいいな」


隼は…知っていた。
この花火の迷信を…。


頬に暖かいものが流れ出た。
嬉しくて、嬉しくて、流れ出て来た涙。