彼氏いない歴が歳の数だなんて言いたくもない。
悠は…
その容姿からして彼女居たんだろうな。
理由があって別れちゃったのかな？
――“特定の彼女は作らない”
あれは一体…どういう意味だったのかな？
疑問には思ったものの、私が口に出す事はなかった。
「酒井くんと早瀬くんって友達だったんだね」
特にこれといって知りたい事はない。
だけど話題を振らなければ、また沈黙が流れる。
私は阻止したいが為にどうでもいいような事を口にした。
一瞬だったけど悠の表情が曇ったように見えた。
それは私の気の所為だったのかもしれない。
「…ん、仲良さそうに見えた？」
悠は少しだけ寂しそうな瞳で地面に視線を落とした。
聞いてはいけない事を聞いてしまったような気分に陥ってしまう。
「えっと……仲悪いの…？」
少し躊躇いがちに問い掛けると悠は視線を上げ、何かを考えるように目を泳がせた。
「多分だけど、隼は俺の事を嫌ってる」
意外な言葉に私は立ち止まった。
隼が悠の事を嫌ってる？
その言葉の意味が分からなくて考え込んだ。
すると数歩手前で悠も立ち止まり、私の方に振り返った。
