隼とデートかぁ…。
考えた事すらなかった。


私は頬杖を突いて悠から視線を逸らして空に向けた。


真っ青な空に流れる雲。
太陽がグラウンドを照らしている。


暖かい風…というよりは生温い風が空を漂う。
換気しておかないと蒸し暑さでいっぱいになりそうだ。


それくらい、今日の天気は良かった。
夏場は梅雨時が去り、快晴がよく続く。


いつまでも…
このままで居られますように。


悠と隼とこれからも一緒に居られますように。


私は空にそんなお願い事をした。
晴れ渡る空に、何処までも続く空に…。


誰にも聞こえない声で。
文字の見えない言葉で。


雲の流れと共に時間も流れていき、気付けば担任の話は終わっていた。