隼と付き合い始めて数週間が経った。

相変わらず優しい隼。
付き合う前から優しかったけど更に優しくなった。


私達を見守ってくれる悠。
二人とも相変わらず、私に優しくしてくれた。


悠は変わってない。
出会った日のままでいつも笑ってる。


そして二人の人気も変わらない。
隼と悠のファンは今も健全で人気が増しているらしい。


だからたまに不安になる。
いつか隼に嫌われてしまうんじゃないかって。


でも隼は私が不安になると「大丈夫」って言ってくれる。
私はその言葉だけで安心出来る。
…私ってこんなに嫉妬深い生き物だったっけ。


「明日で夏休みに入ります。皆さん、くれぐれも怪我のないように…――――」
担任の渡辺先生が明日から始まる夏休みについて語っている。


よく聞く定番の注意事だ。
耳を傾ける生徒は少なくて隣同士で話している人が目立った。
私もその中の一人だけど。


「明日から夏休みか~♪」
隣で悠が鼻歌交じりで言った。


きっと待ち遠しかった夏休みが目の前だという事に喜びを感じているのだろう。


「凛は隼とデートすんの?」

「んー…悠も含めて遊ぶ予定じゃなかったっけ?」

「あん時と今は違い過ぎるだろ」

「一緒に遊ばないの?」

「…いや、隣でイチャつかれても困る」


悠はそう言って笑った。
だから私もそれに悠につられて笑った。