「何が“おめでとう”なんだ?」
悠の声が聞こえたのか、一人の男子生徒が悠に問い掛けると悠は口元を緩ませながら私と隼が付き合うという事を教えた。
すると男子生徒は教室の中へと入り、廊下にも聞こえるくらいの大きな声でこう言った。
「ビックニュース!!!!」
彼の男子生徒の言葉に野次馬達が飛び付く。
「実はですね~廊下に出てみれば分かりますが!!隼と凛が恋人同士になりました☆」
そこまで大きくしなくてもいいのにと思いながらも顔がニヤけている自分が居た。
好きな人と手を繋ぐ事が出来て、想いが通じて…
こんなにも幸せでいいのだろうか?
幸せだって思った。
好きな人と想いが繋がった事に幸せを感じた。
隼の一番になれた事が嬉しかった。
隼に“好きだ”と言われた事が嬉しかった。
教室から漏れだす歓声の声が廊下中にこだました。
そして次々に教室から生徒達が出て来て私と隼は注目を浴びた。
誰もが祝福の笑みを零しているように見えた。
…――――だけど、それは私の勘違いだったのかもしれない。
神様は私達を祝福してはくれなかった。