もう会えない君。



初めて好きになった人が私を好きで居てくれた。
声にして“好き”と言ってくれた。


止まっていたはずの涙は再び溢れ出した。
悲しみの涙じゃなくて喜びの涙として…。


涙で隼の制服にいくつもの染みが出来ていた。
だけど隼は笑って、「好きなだけ泣け」と言ってくれた。


私は隼の胸の中で泣いた。
沢山、沢山、涙を流した。


さっき流したばかりなのに涙は手加減なしで溢れ出てきて隼の制服を湿らせた。



「制服…洗うよ!」
涙を拭って隼に言うと隼は首を左右に振った。
そして柔らかく微笑みながら私の頭を撫でた。


「だって私の所為で染み出来ちゃったし…」

「勿体ないじゃん」

「えっ」

「今日、凛と想いが通じた記念みたいな?」

「隼ってば優し過ぎ!」
私に笑顔をくれるのはいつだって隼なんだね。
辛い時も君が居てくれたから頑張れたんだと思う。


好き。
大好き。
言葉では伝えきれないくらい隼が好き。