隼に会いたい。
今すぐ、逢いたい。


声が聞きたい。
抱き着きたい。


会いたい。
逢いたい…。


私は走った。
いつ来るかも分からない隼に会う為に。


昇降口で靴を履き替える事もしないまま正門の前で隼が来るのを待った。


乱れた息を整えながら通過していく生徒達に隼の姿がないかを確認した。


居ない…。
隼はまだ来ない。


いつになったら来てくれるの?


来ない。
違う…あの人も違う。


今すぐに君に会って伝えたい事があるのに…君はまだ来ない。


次第に減ってゆく生徒の数。
それと共に不安が過る――――。


もしかしたら、隼は今日…学校に来ないんじゃないかって。