もう会えない君。



…――――気が付くと夜になっていた。


私はソファの上で携帯を握り締めたまま眠っていたらしい。


真っ暗な部屋の中。
私は手探りで電気のスイッチを探した。


カチっと音を立てて部屋に明かりが灯される。


暗闇に光が注がれるように…。


いつの間にか雨は止んでいた。
もう聞こえない、雨の音が少しだけ恋しくなった。


静寂に包まれたままの部屋には物音一つすらしない。


寂しさでいっぱいになる。
切ない気持ちでいっぱいになる。


なんでもいいからこの部屋から静寂を取り除きたかった。


だから私はお風呂場に行き、制服を乾燥機に入れてスイッチを押した。


夕飯を食べる気にもなれなかった私はリビングの電気を消して寝室のベッドにダイブした。


ふかふかのベッドは心地良く感じた。


携帯を枕元にそっと置いて深い眠りに就いた。