もう会えない君。



この気持ちを声にして伝える事が出来たら…こんなに切ない思いはしなくて済んだかもしれないのに。


諦めなきゃいけない。
そう思っても心はそう簡単に変わらない。


初めて好きになった人が隼だからこそ、この気持ちを簡単に消したくないって思う。


ねえ隼?
私はどうしたら君の一番になれますか?


携帯にはね、養護施設の先生と君の名前しかないんだよ。


寂しい携帯でしょ?
珍しく鳴った携帯のディスプレイには君の名前が映し出されていた。


私はそれだけで嬉しかった。
名前が表示されるだけで嬉しかった。


何気ない気持ちで掛けてくれた電話が君からの電話で。
心配してくれた事が凄く、凄く嬉しかった。


隼だから嬉しかったの。


なんで…
こんなにも辛いの?


片想いは時として試練を与える。


辛いよ…。
君に会えない時間が過ぎてゆく。