もう会えない君。



エレベーターが開いたと同時に出てきた女の人に怪訝そうな表情で見られた。


それ程、私の姿が酷いのだろうと思いながらも軽くショックを受けた。


三階ボタンを押すと扉が閉まり、静かに動き出した。


壁に寄り掛かりながら部屋の鍵をポケットの中から取り出した。


鞄も全部濡れてしまった為、ハンカチを出しても無意味だった私は少しでも早く部屋の中に入りたかった。


…軽快な音を立てて三階に着いた事を知らせると閉じていた扉がゆっくりと開いた。


私は速攻でエレベーターを降り、部屋へと向かった。


鍵を開けて中に入ると中は雨の湿気の所為でじめじめとした空気が漂っていた。


今時期の雨は嫌いだ。
そんな事を思いながら私はお風呂場に直行した。


洗濯機の中に濡れた制服や下着を放り込み、そのままシャワーを浴びて体の汚れを落とした。


お風呂から上がってスウェットに着替えた。
そして洗濯機を回した。


鞄の中身は奇跡的に無事だったので中身だけを取り出して鞄をエアコン近くに置き、乾かした。


「はあ…」
溜息を零しながら、ソファの上に座った。