もう会えない君。



私に雨の滴が叩き付けられる。
虚しい雨の音が耳にこだまする。


街行く人々は傘を差している。


駅前周辺まで来ると好奇の視線を浴びた。


それもそのはず。
完全にずぶ濡れの制服姿で傘も差さずに一人きり。


学校に行ってるはずなのに、何してんだろう?って思うのは当然だ。


だけど好奇の視線は送っても私に声を掛ける人は誰一人として居なかった。


こんな時だからこそ、寂しく感じる。


独りの家に帰る事も。
マンションに行っても誰も居ない。


お金さえあれば十分なんて誰が言ったんだろう?


意味ないよ。
お金があったって意味がない。


だって、お金で寂しさは埋まらないから。


私は好奇の視線を浴びながらマンションへと入って行った。