もう会えない君。



ポツポツと地面に点を描く滴。


空から降り注ぐ雨はまるで私の心を表しているようだ。


初めは小雨だった雨は大降りになり、地面に滴を叩き付ける。


アスファルトの上には既に水溜りが出来ていた。


私は学校に向かうのをやめて帰る事にした。


…今の状態で隼に会えない。
どんな顔をすればいいのかも分からない。


学校へと急いで向かう生徒が私の肩にぶつかり、私は地面に体を打ち付けた。


鈍い痛みが走る中、雨は止まずに降り注ぐ。


私にぶつかった生徒はぶつかった事すら気付かないまま、学校への道のりを急いでいた。


「……最悪…」
呟いた言葉すら雨の音に掻き消され、雨の音だけが響いた。


立ち上がって来た道を戻る。


制服は転んだ所為で泥やら、泥水やらで濡れている。


傘なんて持ち合わせていない私は更にびしょ濡れになりながら家路に向かった。