もう会えない君。



気付いた時には何もかもが遅すぎて…
いつも目で追っているのは隼だった。


皐を知りたいんじゃない。


私が本当に知りたいのは他の誰でもない君の事。


隼の事を知りたかった。
今よりもっと、もっと知りたかった。


君の笑顔を一人占めしたかった。
私だけに見せてほしかった。


だけど…
それは叶わない願いだった。


この恋は叶わない。


何度も忘れようって思った。
だから皐を好きだと言い聞かせ続けた。


なのにどうして?


折角、忘れかけていたのに…なんであんな事を聞くの?


隼の事…
好きに決まってるじゃん…。


好きだからこそ、諦めようと必死になったんじゃん。


どうして皐はあんな事を聞いてきたりしたの…?