――ざわつく体育館前に私達は居た。
「名前順に整列して!」
知らない男の先生に指示をされ、名前順に一列に列を作った。
A組が一番最初だった為、少し遅れた私と隼は男の先生に注意を受けて列に並んだ。
次第に静まり返り、扉が開いた。
扉が開くと同時に手拍子が聞こえた。
私達はその歓声のような手拍子を浴びながら一歩一歩を踏み出した。
席に着き、順序良く進められていく入学式。
気怠そうにしている生徒も居れば、緊張している生徒も居た。
これを十人十色という言葉で表すのだろう。
長い校長先生の話も終わり、無事に入学式を終えた。
生徒達は強制的に教室に戻るように指示された。
机の上には「入学おめでとうございます」と書かれた一枚のプリントが一人一人の机に配布されていた。
席に着いて、数分遅れて担任の渡辺先生が小走りで教室に入って来た。
一息吐いて明日からの予定を説明し始める担任に耳を傾ける生徒達。
…だけど私は窓際の席という事もあって空がよく見えるので空を眺めていた。
形を変える雲が浮かぶ。
白い雲が青空に映えて映る。
風が吹いて静かな音を立てる。
何処までも果てしなく続く空。
空に終わりはあるのかな?
きっと空に終わりはないだろう。
限りなく続く空。
私はそんな空に憧れた。
