翌日。

次がついに、数学の時間だ。私の席は窓際の後ろから2番目だから、あんまり目立たないだろう。


それでも少しだけ緊張していると、斜め前に座るミホがこちらを向いて小さく手をふった。自然と肩の力が抜けると、授業開始のチャイムが鳴った。


すると……


ガラッ!!!


ものすごい勢いでドアが開いた。みんなびっくりして注目すると、不機嫌そうな顔の相野先生が中に入ってきた。


「何あの先生…」

「こっわー…」


回りからはヒソヒソとみんなの話し声が聞こえる。確かに、初めての授業なのに、あんな不機嫌な態度はないだろ!!


私はまた、むくむくと昨日の怒りがよみがえってきた。


でもそんな私とは裏腹、普通に授業は始まった。


やっぱりみんな…緊張してるなぁ…。


教室の空気はどこか張りつめ、先生の声だけが響いていた。