その日の放課後、私は一人で帰ろうとしていた。


ミホはそのまま友達と遊ぶらしく、『先に帰ってるね』とメールがきた。


廊下の窓からはオレンジ色の光が差し込み、温かく輝いている。


ふぅ、とため息をついた。


ふと、何か物足りないような気がした。


あ…


「お弁当教室に忘れてきた…」


つーんと唇をとがらせ、仕方なく教室に戻った。