「うへぇ…息苦しい…。」


真新しい制服に腕を通すと、その堅苦しい感じに顔を歪めた。


桜沢佳 15歳


特別可愛いわけではなく、何かものすごい特技があるわけでもなく、まだまだお子ちゃまな私は、これから高校の入学式へと向かう。


ちょっと不安はあるけど、今は新しい環境にわくわくしている。何か素敵な事が起こりますように…。そう願いながら、キュッとリボンを結んだ。


ん…?


「げーーー!!!!もうこんな時間!?」


あわててバックを掴み、バタバタと家を出た。